愛知県 名古屋市 東洋医学 鍼灸 はり 健康保険適応 東洋医学研究所 黒野保三 中村弘典 二葉はり治療院 一般社団法人生体調整機構制御学会 WOM‐TV.
生体調整機構制御学会
生活習慣病班班長
中 村 弘 典
近年、糖尿病患者の食事療法において、炭水化物を制限することに重点を置いた食事指導(低インスリンダイエット)の実施を耳にすることが増えてきました。この食事指導の内容は、炭水化物以外の好きなものを多く食べたいという患者の希望に合いやすく、喜ばれ支持されつつあります。しかし、私の意見としては、細胞におけるエネルギー源の代謝障害を、助長させる危険性があると考えられることから、安易に賛成はできません。
・低インシュリンダイエットとは、
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低インシュリンダイエットとは、血糖値を食べる食品によってコントロールするダイエットで、ぜい肉の元である脂肪細胞が肥大化する原因となっているのが、すい臓から分泌されるインシュリンというホルモンです。このインシュリンの過剰分泌は、血糖値の急上昇が原因です。逆に、血糖値がゆるやかになれば、インシュリンの過剰分泌も抑えられ、血糖が血液や肝臓、筋肉に分け与えられてぜい肉とならないということです。
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インスリンはエネルギー源のブドウ糖を細胞の中に取り込んだり、脂質 、タンパク質の代謝に関わる大切なホルモンです。脂肪細胞はそのインスリンの支配下にあります。血液中にインスリンがあれば、中性脂肪をせっせと合成して貯えます。インスリンが少なくなると中性脂肪を分解してエネルギー源として放出します。太っている人はインスリンが効果的に働かないことが多く、体は必要量以上のインスリンを分泌しています。この状態ではインスリンが常にあるので、低カロリーダイエットをしても脂肪の分解がなかなか進みません。かえって大切なタンパク質が減ってしまうのです。
アメリカのDr.バーンスタインは『低インスリンダイエット』を強く推奨しています。低インスリンダイエットは、インスリン分泌を刺激する食事の炭水化物を思い切って減らして、脂肪が効率的に分解できるようにしようとする考え方で、具体的には炭水化物管理食です。例えば、カロリー比45%に炭水化物を減らすのです。すると、どうなるでしょう?血中のインスリンが減るので低血糖が起りにくくなることで、その分の補食が減ることから太りにくくなるということです。
・『低インスリンダイエット』の注意点
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しかし、グリセミック指数(GI値)が高いからといって、白米等の主食を一切食べないという考え方は良くありません。主食には脳や筋肉の働きに必要不可欠な糖が含まれている大切な食品なのです。ですから、主食の量の調整と、白米を玄米に替えるような注意が必要であります。
肥満があり、過食(インスリンが過剰分泌)をしている2型糖尿病では、炭水化物の摂取を制限すると、血糖・血中脂質が改善することから、低インスリンダイエットを上手く利用すると、食事療法による糖尿病コントロールの良いきっかけをつかむことも可能かも知れません。しかし、ダイエットだけを目的に、極端に炭水化物を減らすと、ケトン体代謝(ケトーアシドーシス状態)に誘導され、体が飢餓状態(熊の冬ごもり)になることから、血液が酸性に傾き体にとってあまり良い状態ではないと思います。このことから、できる限り運動療法を行うことで、ある程度は日本人の主食であるご飯(炭水化物)を食べ、細胞におけるエネルギー源の代謝機能を円滑にすることが重要であると思います。
特に1型糖尿病のように必要なインスリンが分泌されていない状態で、炭水化物の摂取を制限することは、エネルギー源のブドウ糖・脂質・タンパク質の細胞内への取り込みに関わる代謝障害を、助長させることになります。また、低インスリンダイエットにすると、比率として高蛋白食・高脂肪食になりやすく、腎症がある糖尿病患者の場合には、低蛋白食にするような配慮が必要になります。このように、合併症のある糖尿病患者などについては栄養のバランスを考えることが大切であると思います。
また、低インスリンダイエットについての長期にわたる調査の実績がなく、やめれば元の体重に戻りやすいにで、私自身は安心して賛成はできません。また、日本人はご飯を主食にしていますが、欧米の肉食文明には、「主食」という概念がないことから、日本人は欧米人に比べ、従来より炭水化物を多く摂ることが習慣になっています。このように、日本人と欧米人の人種的・文明的な違いがあることも考慮する必要があると思います。
以上、低インスリンダイエットについて述べさせて頂きましたが、低インスリンダイエットのように特定の栄養素をターゲットにする減量ダイエットを行う場合は、多くの危険性も含んでいることから、充分な注意が必要であり、糖尿病専門医の指導の下で実施されることが良いと思います。
引用文献:
(低インスリンダイエット・グリセミック指数(GI値)
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